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8/22 (水) 日豊本線・吉都線・肥薩線・鹿児島本線・鹿児島交通バス・指宿枕崎線・九州新幹線・三角線

 3日目の目的は未乗である肥薩線吉松−隼人間、指宿枕崎線谷山−枕崎間、九州新幹線、三角線の踏破である。

1.日向市→宮崎 普通 田野行き 713系サンシャイン

 まずは今回の旅行で3度目となるこの区間である。美々津−都農間では左手にかつてのリニア宮崎実験線を見る事ができた。今はどうやら使われていないようだ。相変わらず結構な客を乗せて県都宮崎に着く。時間があって宮崎駅の外に出てみたが、駅の整った外観は相変わらずであった。お土産コーナーは東国原知事一色だった。

2.宮崎→都城 普通 鹿児島中央行き 817系

 宮崎から今度は日豊本線の電車で都城を目指す。西都城の先は普通列車の本数が極端に減る区間だが、今回乗るのは都城までなのである程度本数もあり、それほど苦労しない。


817系

817系電車 都城駅にて



3.都城→吉松 普通 吉松行き キハ47形

 県下第2の都市都城からは、日豊本線と一旦お別れして吉都線へと進んだ。吉都線の乗車は2度目である。ここはかつて日豊本線であったそうだ。沿線に小林やえびのといった都市を抱えており、ローカル線のわりには活気がある。えびの周辺の温泉街を抜け、終点の吉松に至る。


キハ140形    キハ47形
キハ140形いさぶろう・しんぺいとキハ47形気動車
ともに吉松駅にて


4.吉松→隼人 普通 隼人行き キハ47形

 ここから再び未乗区間に入る。以前来た時はここから北に向かったが、今回は南を目指す。肥薩線もかつては鹿児島本線だったので、この吉松は鹿児島本線と日豊本線を分ける重要な分岐点であったとも言えよう。霧島連峰を挟んで日豊本線と反対側を走り、駅舎が登録有形文化財に指定されている嘉例川を過ぎると間もなく隼人に着く。

5.隼人→鹿児島中央 特急きりしま 鹿児島中央行き 485系

 鹿児島中央からのバスに間に合わせるため、ここから少しワープする。青春18きっぷ利用なので、別途料金を支払った上で、特急きりしま号に乗車。この旅行初の特急列車である。車両は今や九州でも珍しくなった485系レッドエクスプレス。鉄道唱歌のチャイムが時代を感じさせる。左手に錦江湾と桜島の雄大な景色を眺めながら日豊本線終点の鹿児島、そして鹿児島本線を一駅だけ走って終点の鹿児島中央に到着する。実質的な運転系統はこの駅で分かれている。


錦江湾 桜島

錦江湾と桜島
いずれも特急きりしま車内から




485系レッドエクスプレス       鹿児島中央駅


6.鹿児島中央駅→枕崎 鹿児島交通バス 枕崎行き

 鹿児島中央駅前は新幹線効果で劇的な変化を遂げていた。利用者も大幅に増えたようである。さて次の乗り鉄的行動としては、指宿枕崎線に乗車するわけだが、この路線の末端区間は一日わずか6往復という状況である。検討した結果、行きは所要時間が短く時間も合っているバスを利用し、帰りに指宿枕崎線を利用する事にした。ところがバスの乗り場が分かりづらく、ぎりぎりになってしまった。結果的には間に合ったものの、危ないところであった。
 鹿児島駅前からしばらくは指宿枕崎線に並行した道筋を進み、五位野駅手前から枕崎への短絡ルートに入る。急激に高度を上げていく車窓からは錦江湾と桜島に加え、鹿児島市街や喜入の石油備蓄基地まで見渡せ、非常に綺麗であった。車内ではひたすら高校野球のラジオが流れ続けており、ちょうど私の地元広島の高校が甲子園で決勝戦を戦っている模様が放送されていた。峠を越え一気に下り、枕崎駅前に到着する。




桜島と鹿児島市街 バス車内から(左) (右)鹿児島交通バス 枕崎駅前にて


7.枕崎→山川 普通 山川行き キハ47形

 枕崎からは指宿枕崎線の他にかつては鹿児島交通の鉄道路線も出ていた。同線が災害で廃止となった後も長らく指宿枕崎線1線だけの駅としては似つかわしくない駅舎と広い構内が残っていたが、2006年に約100m移動して小さな無人の終着駅となった。前日の志布志駅の例に似ている。旧駅舎の部分はバスターミナルとスーパーマーケットとなっていた。
 再び乗り鉄開始である。しばらくは薩摩半島の南岸を進む。遠く硫黄島、屋久島等が見える。途中からかなり長い間、薩摩富士として名高い開聞岳を望むことができた。開門駅付近で最も近づき、山頂付近が少し雲に隠れていたものの、見事な円錐形の山容を間近で見る事ができた。その少し先で日本最南端の普通鉄道駅、西大山に着く。最北の稚内、最東の東根室、最西のたびら平戸口には既に到達しているため、このシリーズもこれで完遂する事となった。錦江湾岸に出て対岸に大隅半島が見えてくると、終点の山川に到着。




枕崎駅とキハ47形気動車    開聞岳 キハ47形車内から




JR日本最南端の駅の碑 西大山駅にて  キハ47形同士の並び 山川駅にて
8.山川→鹿児島中央 普通 鹿児島中央行き キハ47形

 乗り換えを伴ったものの、車両は先程と全く同じであった。引き続き錦江湾岸を進む。今度は喜入石油備蓄基地を間近に眺めつつ、桜島と鹿児島の市街地が近づいてきたら程なく鹿児島中央に到着した。

9.鹿児島中央→新八代 新幹線つばめ 新八代行き 800系

 次なる未乗路線は九州新幹線である。九州新幹線の開業前、一時新幹線の全線走破を達成していたが、開業後はここだけ残す形となっていた。在来線に直交する新幹線ホームから800系車両で出発する。在来線(鹿児島本線及び肥薩おれんじ鉄道線)とは大きく外れた直線的なルートで新八代を目指す。駅の部分が在来線との接点で、その接点同士をほとんど直線で結んでいる印象である。そのためほとんどがトンネルであるが、たまに見える明かり区間が楽しい。車内は実にJR九州らしい内装で、洗練されたイメージを受ける。全線開業後の新型車両も楽しみだ。新幹線効果は絶大で、わずか46分で新八代に到着。かつてこの区間を旧つばめで2時間半近くもかけて走った事を思うと、先にこの区間を建設した事も頷ける。これにて、再び新幹線全線走破を達成した。




    800系車内            800系つばめ 新八代駅にて


10.新八代→熊本 特急リレーつばめ60号 博多行き 787系

 当初新八代から熊本までは普通列車で行く事を考えていたが、全線開業前の今しか体験できないと思われる新在アプローチ線を体験したいがため、リレーつばめに乗車した。同一ホームで乗り換えを済ませた後、低速で軽く弧を描きながら在来線へと下りていく。鹿児島本線と合流してからは、ぐいぐい速度を上げて一気に熊本を目指す。この頃には辺りはすっかり暗くなっていた。次は三角線に乗車する予定だが、接続駅の宇土は通過するため、一旦熊本まで乗車する。




787系リレーつばめ 新八代駅にて


11.熊本→三角 普通 三角行き キハ47形
12.三角→熊本 普通 熊本行き キハ47形

 熊本駅は高架化及び新幹線受け入れ工事の真最中だった。鹿児島本線を宇土まで戻り、三角線に入る。新規に乗る路線はなるべく明るいうちに行く方針から、今回もそのようにしたが、ここだけは時間の都合上夜間にせざるを得なかった。北に有明海を望みながら三角半島を進んでいく。対岸は佐賀平野であろうか。途中から内陸に入って、半島を横断したところで終点の三角である。ここから島原に向けて出ていたカーフェリーは廃止になってしまったようだ。同じ列車で折り返し、熊本へ。

13.熊本→荒尾 普通 大牟田行き 815系

 大牟田行きの電車で夜の熊本駅を後にする。八代以北の九州新幹線北半分に並行する鹿児島本線については、新幹線開業後もJR九州が運営するそうだ。個人的には在来線から特急が無くなった後、その代替として関西圏や中京圏のように「新快速」といったような快速の上位種別ができれば面白いと思っている。というのも、熊本−博多間で新幹線と鹿児島本線が直接接する駅は筑後船小屋、久留米 くらいであり、玉名、荒尾、大牟田、筑後等の中規模都市の救済する必要が出てくるからである。福岡・北九州都市圏では現状でも快速と準快速が設定されているが、もっと抜本的な改革が必要であろう。かつては特別快速というものが存在した時期もあったそうだ。

14.荒尾→博多 普通 博多行き 813系

 福岡・北九州都市圏列車の編成は長い。さすが大都市圏だけある。鹿児島本線の最終電車、荒尾−博多間のロングラン各駅停車である。深夜帯ではあるが沿線から乗客を集めて車内が結構賑わってきたところで終点の博多に到着。この日はインターネットカフェで一夜を明かした。


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